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 トビウオ科の魚は種類が多く、ざっと数えても10を越えます。しかも判別が難しく、写真の魚も多分ホントビ(トビウオ) としておきます。東京付近以南の太平洋側に棲息し、最大で35cm、300g位という小型の魚です。おちょぼ口で外洋性ですから、プランクトン食のはずです。となると、食物連鎖のピラミッドではイワシ類同様、底辺を支える弱い魚となります。武器を持たないトビウオは、変わりに逃げ足を磨き、羽を獲得したのでしょう。滑空可能な羽は、魚類唯一です。マグロ、カジキ、シイラなどに追われると、水中で時速70km位にまで加速した後、強靭な尾鰭の下半分で水面を蹴って空中に躍り出ます。通常150m、最長では500mもの距離を飛行します。実物を見るとなぜか感動します。飛ぶ必要からか、消化器官内に餌の入っているものをほとんど見かけません。短時間に消化吸収して、なるべく身軽にしているのかもしれません。飛び上がれなければ、食べられてしまうのですから。進化の結果である自然界は、すべてこのような科学的な根拠をもって説明できるはずです。
 伊東では初夏に定置網にまとまって入るものは抱卵していて、魚体の小さいものが多く、秋に少し獲れるものは大きめで、わずかに脂があって美味です。
 春トビは季節物で、出始めは人気が高いようです。目をつぶって食べても分かる独特の旨さがありますが、塩焼きなどの焼き物にした場合、冷めると固くなるので、焼きたてを食べるのが大事です。焼きすぎにもご注意を。ムニエルやフライなどの油を使った調理なら無難です。
 もちろん大型のものなら刺身でも良いのですが。


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